地獄の工場ラインから新入社員研修がスタート

身体はボロボロで精神疾患者もでる過酷な職場

自分が入社した1987年は、ホンダF1チームはロータスとウィリアムズの2チームにエンジンを供給。ドラーバーズタイトルとコンストラクターズタイトルの両方を獲得した完全勝利。ホンダF1黄金時代の幕開けとなった年でした。

本田宗一郎氏は「私の幼き頃よりの夢は、自分で製作した自動車で 全世界の自動車競争の覇者となることであった。 」と語りましたが、その夢が81歳になってようやく実現したのです。

そんな盛り上がりもあって当時の本田は就職人気ランキングで常に上位にあり、理系はもちろん文系学生からも人気の高い会社でした(今はもう数十位まで落ちていますが)。

新卒で入社すると全員が3ヶ月の工場実習と販売店での営業実習という名目で現場に放り込まれます。
自分の場合は、まず狭山工場に配置され、生産ラインで自動車の組み立てを経験させてもらいましたが、これがもう驚くほど過酷な職場だったのです。
工場ラインでは約1分間に1台のペースで車が完成します。
つまり自分の持ち場にはベルトコンベアーに乗ったクルマのフレームが1時間に60台も運ばれくるのです。ラインは常に動いているので1分間の作業はほぼ歩きながら行います。それが終わるとスタート地点までダッシュしても戻り、また次のクルマの組み立て作業が始まるのです。

 

クルマの種類によって作業が全部異なるので、指示書の記号をすべて頭に入れて間違わないように神経を使いながら全速力での作業を繰り返します。

 

自分の作業が遅れると次の工程を担当する社員の持ち場に食い込んで迷惑をかけますし、作業をミスしてラインを止めてしまうと工場全体にサイレンが鳴り響き、数百人以上の同僚に迷惑をかけるので、常にもの凄いプレッシャーがかかります。

その過酷さはあまり世間では知られていないのですが、「自動車絶望工場」という本を読むと良くわかります。

またこちらのリンク先「自動車工場ラインがきつい理由13個。」

https://mens-hige-datsumou.net/post-433

に記述されていることは大体その通りだと思います。
自分の経験は30年も前のことなので今は様子が違うかもしれませんが。

 

一つだけ非常に関心したのは、業務改善を促す仕組みがあって、改善提案を専用の用紙に書いて提出するだけで500円がもらえることでした。さらにそのアイデアが採用された場合は、1000円ももらえるのです。これはとても良い仕組みだと思います。

自分も何枚かは提出しましたが、改善提案を継続的にひねり出すのはかなり難しかったです。

 

最初の1週間くらいは慣れない作業に手がグローブのように腫れ上がってしまい驚きました。

同期の中には鬱になって精神病院へ入院してしまった人もいましたが、自分は元々メカニックが好きだったこともあり何とか無事に3か月間の工場研修を終えることができました。

 

トヨタやホンダ、日産などの日本メーカーが世界を席巻できたのは、この工場ラインの生産性の異常な高さがその大きな要因だと思います。

今思うとその現場体験は非常に良い経験となりました。

 

この時の経験は、現在経営している飲食店「かえもん」のお弁当作りの業務の時に生きています。

 

工場実習の次は、港区にある販売店での営業研修を受けさせられたのですが、ここで私はかなりまずい事件を起こしてしました。(続く)

 


概要 | プライバシーポリシー | サイトマップ
Copyright (C) 2013 Kazunori Uehara All Rights Reserved.